国際ボランティア☆おにいさん
「ヨハネ、次のトリアージ頼む!」
「赤と黄は治療済み!」
「イエスちゃん、食料急いで!」

「何者だ、あのキリスト教徒の有志⁉︎」
「某国のギャルゲー男キャラ⁉︎」
「あの…一段落されましたか?」
「おや国境なき医師団さん。苦しんでる患者はまだいますか?」
「落ち着きました…お願いです、薬とか医療器具とかも増やして下さい!」
「え、私、食料しか無理」
「やればできます!」
「理屈は簡単です。
創造の理念を鑑定し、基本となる骨子を想定し、構成された材質を複製し、制作に及ぶ技術を模倣し、成長に至る経験に共感し、蓄積された年月を再現し、あらゆる工程を凌駕し尽くし、幻想を結び医薬品医療器具と成せばいいんです!」
「…やれる気がしてきた…」
「先生ファイッ!!」
I am the bone of the bread.
Fish is my heart, and wine is my blood.
I have created over a thousand breads.
Unaware of loss.
Nor aware of gain.
With stood pain to create foods,
waiting for one's arrival.
I have no regrets.This is the only path.
My whole life was “unlimited blessing works”
「薬や注射器だー」\(^o^)/
「何気に助かる紙ウエスだー」\(^o^)/
「ハンドジェルのありがたみー」\(^o^)/
「そして…教会…?ここムスリム居住区だけど何故⁇」🤔
「――はっきり言っておく。私の家は、たとえ異教徒であろうとも、決して門を閉ざすことはない。体力のない者から中で休みなさい」

「え?先生もしかして、ガチでオンモード?」
「まだ終末まで時間が残されているというのに、この有り様か…ここに留まるより、為さねばならぬことができた」
「…どこに行かれるのですか?(2000年前の再現フラグ⁉︎」
「ペトロよ、私はエルサレムに行って今一度十字架にかかる」
「先生だめーっ!!」
「ここっ!パレスチナ難民キャンプ!ローマ行くよりシャレにならない事態が待ち受けてますってばっ‼︎」
「落ち着いて下さい!パトモス島で主に愛された弟子に示されたことをお忘れですか?終末はこんな生温いものではありませんでしたよっ‼︎」
「――イエスちゃん!」
バッシーンッ
「さ、天界に帰りますよ。いい歳してお弟子さん達を困らせるんじゃありません!どうしても駄々をこねるというなら――――母さん泣いちゃいますからね!」
「キャー‼︎」
「マ、マリア像が…さっきできた教会のマリア像が、血の涙を…っ‼︎」
「 」
そして、新たな伝説が生まれた。
「紛争あるところに『チーム・イエスと愉快な仲間達』が現れて救援活動を行いマリア像が血の涙を流したのち姿を消す」
バチカンも調査に乗り出したが、事実は未だ明らかにされていない――
【完】